アーカイブ: 2009年12月

小浜島スケッチ帳 5

小浜島スケッチ ④
赤瓦の家の造りは[田]の形に4部屋あり、南側左の部屋に仏壇が、右の部屋に神棚・床の間が飾られていた。行事があるとき用に庭は芝生になっていると教わった。赤瓦は漆喰でがっちり固められているが、台風が来ると雨が隙間から入り込み家中がびしょ濡れになり途方に暮れていたら、次の日一日ですっかり乾いたので驚いたと聞いた。その隣人の話では昨年の台風被害はものすごかったらしく、雨戸が風で吹き飛ばされないように横棒を打ち付けたのだが、それでも雨戸が弓なりになったので吹き飛ばされないようにと内側から皆で両手で押さえた。もうこれまでと隣の新しくコンクリートで作られた駐在所さんの家に逃げ込んだら、駐在所さんは他所に避難した後だったと笑い話のように話してくれた。それで珊瑚の塀はブロック塀に、家はコンクリートで新築したり、家の四隅だけをコンクリートで補強する等の工事が行われていた。実際、駐在所さんのコンクリートの家は快適に見えたが、朝から日が眩しく風の逃げ場がなく蒸し風呂のようになり閉口であった。昔からの漆喰の瓦屋根の家は頑丈そうだが実は隙間だらけの家で、風を逃がす事を考えて造られた理に叶った造りになっているわけだ。
100軒位の村の中を散歩していたら、壊れかけた家と新しく噴き直したような藁葺きの家を発見した。瓦屋根の文化が入る前の建物とお見受けしたが、四部屋はとても無理な小さな造りであった。瓦屋根文化が伝わる以前の貴重な建物に思えた。
写真①スケッチから「あかばなの咲く家」
写真②スケッチから「藁葺きの家」

小浜島スケッチ帳 4

小浜島スケッチ③

集落から北に少し行くと水田があり、その奥の高台にこんもりと盛りあがった「大嶽(岳)」と呼ばれる小山があった。海抜は99,4mと結構あり、登ってみると、頂上は展望台になっていて360度全てが見晴らせた。北側眼下に野生のウサギが沢山いると云われる「嘉屋真島」、遠く霞んで大きな石垣島、東に竹富島、南に黒島、右奥に霞んで新城島。西には細長く半島になっている細崎(くまんざき)、マンタで有名な「よなら水道」、その先に雲を被った大きな西表島等が気持好いように見渡せた。後に航空測量の専門家から聞いた話では、西表に雲がない日は一年に4日位しかないという。あの山の中に西表山猫が住んで居ると思うと一寸魅力的な深山だ。
途中、蛇がいたので怖さ半分捕まえたら、地元の爺さんにしげしげと見つめられ、「ハブではない」とばかにされた。
ハブは売れるので、ハブがいると聞くと皆飛び出して来た。この位の長さだったと手で示すと、ジーっと見ていてから「3500円」といった。どうやらハブの大きさの単位は「円」の様だった。
目の前を、ふわりふわりとスローモーションのように大きなモンシロチョウが飛んで来て目の前の花にとまった。「おおごまだら」だった。少し高い所を高速でオレンジ色の蝶が飛んでいった。「ツマベニチョウ」だった。
写真①・・大嶽を望む
写真②・・大嶽山頂から西方、西表島側を見る(引き潮時)