アイヌ古式舞踊


作品紹介①

『アイヌ古式舞踊』の思い出

(UNESCO Masterpieces of the Oral and Intangible Heritage of Humanity)

小学生の時(昭和30年頃)、学校で「アイヌの舞踊団?」の公演があった。見て来た兄達の興奮はものすごく、見に行けなかった私を一人羨ませた。その感想は、異次元の世界に触れたようなものだったように記憶している。入場料を取って日本各地を廻っていたようだった。

初めて見たのは何処だったか記憶に無い。国立劇場だったか、ちゃんとした所の舞台だったのに、すごく「暗い踊り」のイメージだけが残っていた。

昭和58年、日本青年館で行われた「第32回全国民俗芸能大会」に静内町から『アイヌ舞踊』がやって来た。またあの暗い・・・というイメージを想像していたのだが全く違い、はつらつと楽しげに踊り観客からの惜しみない拍手で終了した。感動した私はもっと近くで踊り手達を見たいと思い、すぐに楽屋に行って見た。そこには在京の親戚らしき人達がすでに集結しており、アイヌ民族一色だった。舞台から戻ってきた踊り手達は、観客の暖かい拍手が本当に嬉しかったようだった。自分たちの文化に誇りを持って踊ったから観客にもそれが伝わったのではと私は理解している。

(聞いた所では、「静内」の町の中でもアイヌであることを隠して生活している人が多く、今回の出演は異例の出来事のようだった。ついでながら、この翌年、『アイヌ古式舞踊』が国指定無形民俗文化財に指定された。)

《木版画は、静内の古式舞踊からの作品》

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