小浜島スケッチ帳8

小浜島スケッチ ⑦

母は毎朝「散歩」を日課にしていた。だいたいの1時間、何処かを歩いていた。そして決まってといって良い位に花を摘んできた。たったの一ヶ月だったが結構季節の変化も感じた。ある日、それまで何も無かった道で突然見知らぬ花が咲いていたと、興奮して帰ってきた。はっぱの形、花の付き方からジンジャーの仲間ではと、早速植物図鑑と照合してみたらゲットー(月桃)だった。カメラを取り出して撮ろうとしたらシャッターが下りない。カメラが壊れていたのだ。母は珍しく不機嫌になり、カメラが無いなら代わりに絵で描きなさいと、要求してきた。しかたなく真面目に写生したのがこの「月桃」だ。後で思うに、それまできちんと写生をした事がなかったので、すごく勉強になったと思う。それまで全然描いていなかった訳ではなかったのだが・・・。

雨の日は外に出られず、家の中ではすることがなく、しかたなく?採集した花の絵を描いたりしていた。最初に珍しいと思って写生したのは「コンロンカ(崑崙花)」だった。初めは「ガクアジサイ」ではと思い、「白いブーゲンビリア?」「ハンゲショウ」のように見えたりして珍しく一寸魅力的だった。近頃花屋で似たような花をちょくちょく見かけるので崑崙花では?と覗き込んだ。何という花かと名前を確かめると「ハンカチの花」と書かれていた。

月桃の花  ②崑崙花