「宮澤賢治」や「民俗芸能」には、和太鼓の響きのような胸の奥をゆさぶる・民笛の音色のように心を和ませてくれる何かがあります。これらは自然と人間の一体感の中から生まれた感謝の気持、喜びや安らぎではないかと思っています。私は、これらの魅力・感動を何かの形で自分の中に残せないか・・・という気持ちを原点に木版画を制作してきました。ほんの少しでも伝わった方が居りましたら嬉しい限りです。
豊作の祝いのお祭りからは喜び・感動が、お盆の行事では祖先への供養の気持ちから、多くのすばらしい郷土芸能が生まれ、伝わって来ています。はやり(流行)ものでないこれらの普遍的な「文化」を私なりの目で伝えたい・・・という『ライフワーク』になっています。
「私たちは氷砂糖をほしいくらい持たないでも、きれいにすきとほった風をたべ、もも色のうつくしい朝の日光をのむことが出来ます」と、賢治は自作の童話がすきとほった本当のたべものになる事を願っていました。私の作品もそんなたべもののほんの1かけらにでもならないかと願って制作しています。
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