私の小浜島スケッチ帳 6

 

小浜島スケッチ ⑤

集落から西(西表側)の細崎(くまんざき)に行く途中、入り江のある右側の浜に降りたら、長野の「大正池」を連想させる立ち枯れ木が池の中に沢山ある不思議な池を見つけた。嬉しくなってスケッチして見たのだが、良く見たら海側はコンクリートの堤防で仕切られていた。海岸線に堤防を付けた為マングローブの林が海水から寸断されたため枯れたのだった。人が滅多に行かないような所に何故堤防を付けたのか全く理解出来なかった。例の、補助金目当ての公共事業がこんな所まで及んでいたのだろうか。

ヨナラ水道に続く入り江はちょうど引き潮で、マングローブの林の中を自由に歩く事が出来た。ダボハゼ達が見慣れない来訪者にあわてて泥の上を飛び跳ねており、その先の砂地の上を藤色の南京栗程の丸いツブツブの群団が私から逃げるように移動していた。良く見ようと近づいたらその群団はあっという間に一斉にくるっと砂の中に滑り込んでしまった。「ミナミコメツキガニ」だった。

マングローブと言われる「ヒルギ」の木は、干満の潮に対処できるようになっているため絵的に面白い形になっている。雄ヒルギと雌ヒルギがあると聞かされていたが、私には区別出来なかった。細長い実を垂らしていたので、無理矢理実を取って垂直に落としてみたが、そうは上手く砂地に突き刺さらなかった。

 

写真①立ち枯れのマングローブ林池

写真②引き潮時のマングローブ

《「大好き沖縄」44号掲載より》

 

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