宮澤賢治 手摺り木版画本/賢治絵葉書帳
有志による賢治記念館の建設計画が持ち上がり、皆で寄付金を集めようとなった時、貧しき版画家は、版画絵葉書を売ってその売り上げを寄付しようと思いついた。出来上った時には、情勢は変り、記念館は市によって建設され、寄付は不要となっていた。それでも、記念館の売店で販売されていたが、”市”と”記念会”のもめ事にまきこまれ、寄付金は要らないと「返品」されてしまった。(後日談=2年前、大分で個展をした時、新婚旅行で記念館に行って絵葉書を買ったというご婦人に出会った。)
絵葉書は「景色」「花」「ゆかりの地」「民俗」×4の16枚で、反対側1のページに文章を入れての32Pの本になった。本の表紙用にと「イーハトーブ絵図」を、見返しに「銀河鉄道路線図」をと、凝った限定本となった。