宮澤賢治作品  伊藤卓美木版画 「種山ヶ原」

(3) 22 「種山ヶ原」   1976年制作   315×412mm 

初めて物見山に登った時の感動は忘れられない。風の又三郎に出て来る“馬”はもう放牧されていなかったが、代わりに“牛”が向かいの準平原に点々と見えた。思い返せば、片栗・梅鉢草・翁草に最初に出会ったのもここだった。賢治は広々とした種山の準平原で「新世界」のメロディを感じ、詩を付けたのだろう。九月に物見山の頂上から立石方向に逆光で見たススキの原はまた格別に素晴らしかった。

 

No replies to “宮澤賢治作品  伊藤卓美木版画 「種山ヶ原」”