豪徳寺の『まねき猫』 ⑧ “郷土玩具”の生産地
昭和39年刊の「日本郷土玩具辞典掲載の「豪徳寺の招き猫」では、“土製の小さくて可愛らしい白の招き猫である。豪徳寺で参詣土産として売られる。”と解説されていた。
豪徳寺の地「世田谷」には“招き猫”を作る産業は無かったので、他所に製造委託していたことになる。詳しい人の解説には「もともと東京今戸で作られましたが、やがて、より大量生産できる岐阜県多治見に移り、今は大産地である愛知県常滑で作られています」と、この招き猫は「今戸」製と紹介されていた。「豪徳寺の参詣土産に売られる」と書かれていたが、どうやらこれは“大正‘以前の古い話のようだ。私が少し調べた範囲では、昭和10年刊「郷土玩具大成」(有坂与太郎著)に陶製・磁器二体の豪徳寺の猫が掲載されていたのが一番古く、その後は”戦後“のようだった。となると、土製の可愛らしいのが、今の所一番古いものとなるようだ。