年賀状版画作品について(4)

年賀状版画作品について (4)

中学の時、学校の前にあった文具店で埃を被った黒ずんだ版木を見つけた。余りに汚らしい木だったので、ひょっとしたら、4~5年売れ残っていたものだったかもしれない。何故だか“愛着”を感じてしまったたらしく、私はその汚い板を購入した。

その年の年賀状は、「職業家庭」の授業で丁度「製図」を習っていた影響で、高層ビル群を上から見た構図を一点透視図で描いた。その為、線の沢山入る細かい絵になったが、その汚い版木は“コリコリ”と心地よい音を立てて気持ち良く彫れた。木版画が、“彫るのが大変”と思っていたのが間違いだと気が付いた瞬間だった。 

 

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