小浜島スケッチ帳 10

小浜島スケッチ⑨

沖縄の花といえば、県の花「デイゴ」だが、私にとって沖縄の花はハイビスカス=仏桑花である。私が行った季節がデイゴでなく、ハイビスカスがそこら中で咲いていたからだろうか。大きな花びら・細い花びら・色の違い等、品種の事を詳しく聞こうとしたが、地元の人は皆「それはアカバナーだ」としか言ってくれなかった。赤い花だから「あかばなー」なのだろう。私は、明らかに品種改良された大きな花や上を向いた八重咲きより、垣根に使われている小ぶりで素朴な朱色の少し下を向いた「あかばなー」が好きだ。

ある時、垣根に花びらの開かない品種を発見、図鑑で調べてみたら、姫芙蓉、シガレットハイビスカス・スリーピングハイビスカスと洒落た名で紹介されていた。地元の人に聞いたら「イカズゴケ」とすごい名を言われた。開かないのなら蜜なぞ無いのではと、物好きに分解してみたら沢山の蜜が溜まっていた。嘴の長いハチドリでも来るのだろうか?。ちなみに開かない花びらは半分欠けた細長い形になっていた。内緒で東京に一枝持ち帰り育てたら、クリスマスシーズンのツリーが不要になる位沢山の花を付け大好評だった。

ある時、花びらが細くカノコユリのように反り返った手鞠のような花を発見した、その花は下を向き、めしべが長く真ん中からぶらさがっていた。「風鈴仏桑花」で花が咲く前までは上を向いているのに、咲くと同時に下を向くのがこの種の特徴だった。園芸種の花は上を向いて見栄えが良いので、品種改良でどうやって上を向けたのだろうかと思ったりした。《「ハイビスカス」今帰仁ハイビスカス愛好会発行を読んで少し疑問解決した。》

姫芙蓉 ②風鈴仏桑花