木版本「賢治絵葉書帳」出版
賢治絵葉書帳
制作 伊藤 卓美
○木版手摺り 限定88部
○発行日 1983年1月15日
○発行者 伊藤 卓美
○サイズ 180x140x20
花巻に宮澤賢治の記念館が建つ事になりその資金集めに当然東京の宮澤賢治研究会も賛同した。貧乏芸術家の私はポンと出せる立場に無かったので、版画で絵葉書を作って販売、その売り上げを寄付する事にした。(ただでは起きない伊藤氏は、その絵葉書をまとめて本に仕立てる事を考えていた。)
結局、資金が集まらなくぐずぐずしている内に「花巻市」が動き、市の主導で記念館は作られることになった。私の『手造り版画』は、予定通り記念館入り口の売店で売られた(自慢ではないが、かなり売れていた)。しかし、市の設立の為、民間の業者の販売が問題になり、私の「寄付行為」もとばっちりを受け、不要とされ販売は中止された。
今となっては、そんな事はどうでもよい話だが、お陰でこの本が誕生したので感謝している。絵葉書は、『賢治ゆかりの地』『ゆかりの山』『郷土芸能』『花』で1セット4枚とした。本では、葉書にした版画16枚の対面に文章を入れ32ページとなった。前回同様に表紙絵の版画に『イーハトーヴ地図』、見返しに『銀河鉄道の路線図』を制作、著者検印の代わりに『著者票』を作って貼るなどして楽しく遊べた。