『どんぐりと山猫』 出版 案内
” どんぐりと山猫 ”
作 宮 澤 賢 治
2022年(令和4年)8月27日 発行
定価 本体900円+税
原画制作・編集 伊藤阿弥
版画制作 伊藤卓美
B5版 36P+表紙4
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発行者 宮澤和樹
発行所 花巻市大通り1-3-4
株式会社林風舎
実は、この本が出来たのは、1997年8月でした。私が作った「賢治かるた」を見た“賢治童話を子供と読む会”を開催しているあるご婦人から絵本を作ってくれないかという話がありました。
「絵を付ける事で読む子供に偏ったイメージを植え付けてしまうので私には描けない」と、断ったのですが、尚お願いされて困ってしまいました。聞けば、絵が怖いと言って子供達が絵本を読みたがらないのだというのです。
その話を聞いて、小3の娘「阿弥(あみ)」(9歳)が小1の時にかるた用に描いた“どんぐりと山猫”の絵がすごく良かったのを思い出し、全編14枚の絵を描き足してもらいました。それは大人の私には絶対描けないもので、賢治が、「雪渡り」の中で、幻燈会に参加できる人を「11歳以下」としていた意味が分かったような気がしました。
鉛筆による簡単な絵でしたので、私が「木版画」に仕上げ、“絵本”の形にはなったのですが、「出版」には至らず、私の手摺りによる「限定本」という高価な、とても子供達に読まれる本とはなりませんでした。
25年が過ぎましたが、作品は未だ劣化してないようでした。娘が結婚して母になったこの期に、ようやく手軽に見られる本にする事が出来ました。沢山の子供達に読んでもらえたら嬉しいかぎりです。
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1997年8月27日発行 の手摺木版画による101部限定本(木版画16枚入り) ¥50000