豪徳寺の『まねき猫』③ 浮世絵の「招き猫」
由来書の多くは、後の人による「創作」が多いので、素直には認められない。その点、浮世絵の中に描かれているのは事実に間違いないだろう。
歌川広重作「浄るり町繁華の図」(大判錦絵6枚貼り込み本1852作37x26cm)の中の一コマに丸〆マークの提灯の店に遊女が買い求めている絵がある。
(6)江戸‘浅草花川戸の老婆が嘉永年間(1848〜1854)に夢に出て来た飼い猫のお告げで、今戸土人形の裏に「丸〆」の印を付けて売り出し、繁盛した。 と云う話の“お告げ”は別として裏付けとなる絵のようだ。また遊女が買っている所からも(3)(5)の「遊郭などでの縁起物」をも感じ取れる。
写真の猫は、現在の今戸の丸〆招き猫。