版画本「尽尽」(づくしづくし) 出版
著者本 紹介③
尽 尽 (づくしづくし)
制作 伊藤 卓美
○木版手摺り 限定88部
○発行者 伊藤 卓美
○サイズ 175x135x10mm
○使用和紙 西ノ内 菊池五介紙
私には収集癖があるらしい。子供の頃の玩具を集める事で自分の中にある「子供心」を忘れないようにと、剣玉・面子・でんでん太鼓・独楽・凧・張子の虎・こけしなど、集め出すと限がなかった。だんだんと管理と保管場所に困るようになり、現在は「独楽」だけにしている。と言っても収集は年2回のボロ市で見つける程度で非常に消極的である。昔の子供が実際に使い込んだ物を探しているのだが、ここ数年は全く出会っていない。
話が脱線してしまったが、そういう色々な物を集めるのが好きだったからか、「○○づくし(尽し)」というような千代紙の絵も好きだった。そこでなんでも気になったものを集め「尽」として絵にまとめてみた。尽たちをまとめた本だから「尽尽」となった。綺麗になり過ぎないようシンプルにと版を2版に抑えた。
よく綺麗な和室の床の間にガラスに入った人形を見かけた。子供が触れないように、汚れないようにという配慮であろうか明らかに部屋の中で浮いていた。
子供に触ってもらえない人形は私には可哀想に思えた。
ここに大きな気掛かりがある。この私の本がガラスの中の人形のように「汚れないように大事に」と保管され、実際に多くに人に見てもらえなくなる可能性が強いと言う事だ。