木版画 作品紹介19 あざみの歌

 

(4) あざみの歌   【歌謡】(65) 昭和24年    横井 弘 作詞   八州秀章 作曲

山には山のうれいあり(海には海の かなしみや

作詞家をめざしていた横井弘が書いた詩が偶然八州秀章の目に留まり昭和26年に伊藤久男の歌で大ヒットとなった。人気作家となった二人はその後多くの歌謡曲を手掛けたが「あざみの歌」への思い入れは一番大きかったようだ。一寸遅かったので私はこの歌を知らず、戦前の歌だと思っていた。

 

自然の中で見るあざみは、あの濃い赤(カーマイン)がポイントになって美しい。満開になるとおしべの白い点々が和らいでくれる。子どもの頃の梅ヶ丘の家の庭にあったのは、母が何処からか採って来たものだったのだろうか。ただ、余りにも栄養豊富の土だった為・私の背丈を軽々越し、葉はアカンサスのようで、棘は強烈で近寄れない位になっていた。余りにも葉に栄養が行き過ぎた為か、肝心の花は立派に咲かず、花瓶に飾られた記憶はない。